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初めて読んで泣いたマンガ、【人造人間キカイダー】 [マンガ]

 最近は週刊・月刊などもを含め、ほとんどマンガを買わなくなってしまいました。

 現在は、昔好きだった「修羅の門」が連載再開となり、単行本が出るたびに買う位です。
以前は「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」を連載する為だけに発刊した「ガンダムエース」を創刊号から買っていました。 オリジン最終回まで買い続けましたが、終了後は購入を止めました。 他の作品が私には合わなかったので.....  そんな話は置いといて。

 「人造人間キカイダー」と言えば、特撮の作品が思い出されます。 石ノ森章太郎(1984年までは石森章太郎)原作の作品となりますが、特撮版とは若干設定が違います。 子供の頃、どうしても読みたかったマンガ版を探す為にお茶の水の本屋(実際は神保町)まで行った記憶があります。 購入できた時の喜びは今でも忘れる事が出来ません。

 主人公の名はジロー、世界的なロボット工学博士である光明寺博士が造った人造人間13体の1体。 自然破壊警備隊の一員であり、殺害され亡くなった息子を想い、「絶対に殺されない自然破壊警備隊」として作られた人造人間であるが、研究の援助を行っていたプロフェッサーギルの企みに気付き、光明寺博士は襲撃される直前に「ジェミニィ(良心回路)」を不完全なままジローに組み込み、起動させます。 敵との戦いの中で「おれはキカイだ!! み みろっ!! スイッチをいれれば・・・変形する!! おれはキカイだ!! きさまと同じ・・・キカイなんだ!!」と発した言葉に「キ キ キ キカイダー!?」となり、ジローの名前「キカイダー」となりました。

※以下の文章は、大雑把ではありますが結末までの内容を記載しております。

 物語はピノキオの絵本を幼い子供に読んでいるシーンから始まりますが、良心回路を組み込まれたジローの心の葛藤がテーマです。 人造人間としての葛藤、善・悪に対しての葛藤、不安定な状態ゆえ戦闘形態ではハーフチェンジにしかならず、醜い姿にしかならないジロー。 

 物語は進み、ギルに誘拐された光明寺博士を探しますが、サブロウと名乗る人物が現れます。 口笛でジローを狂わせる彼そこがさらわれた光明寺博士の脳を人質として組み込んだ「ハカイダー」でした。 ハカイダーはライバルとしてキカイダーと戦い勝利しますが、倒れたキカイダーを基地に連れ帰り、修理させることに..... プロフェッサーギルは、キカイダーを修復させたハカイダーに対し、光明寺の脳がハカイダーを支配しつつあることを悟り、脳を取り出させようとします。 間一髪でハカイダーはキカイダーに動力を入れ、キカイダーはギルを人質に光明寺博士の脳を体に戻させます。 博士の救出に成功するジローは基地を脱出!! 一方、キカイダーに基地を破壊されたギルは使い物にならない肉体を捨て、ハカイダーの体に自分の脳を入れることになります。 他の幹部達の脳も使いハカイダー4人衆として復活したプロフェッサーギル。
 
 これで自分の良心回路も完全な物になると喜んでいたジローですが、意識の戻った光明寺博士に良心回路の記憶は無くなっていました。 設計図を隠した場所を博士に問いただしますが、設計図はジローに持たせたギターの中に..... いつも肌身離さずジローと共に苦楽を過ごしたギターですが、ハカイダーに襲われた際、ジローのギターは燃えてしまっていました。 もはやジローは完全な良心回路を手に入れることは無くなってしまったが、自分を成長させる事により克服することを選択します。 そんなジローに博士はミミズク寺行くことを進め、最初に造っておいたイチローと出会うことになります。 戦闘形態では01(ゼロワン)となるイチローは良心回路を持たず、悪に利用される事を恐れ恩師である風天和尚に預け隠されておりました.... そこに逃げてきた女性と子供、追ってきたのは何とハカイダー四人衆。 子供に用があるとの事だが、理由はギルが自分の子供アキラに隠した最終兵器である「ジャイアントデビル」の設計図を奪取する為でした。 

 そんな時、新たに現れた人類の影の組織「シャドウ」は強く、同じく最終兵器の設計図であるアキラを奪うべく襲い掛かります。 ハカイダー四人衆の集合体「ガッタイダー」もシャドウにやられていしまいハカイダー1人となってしまいます。 シャドウはまんまとアキラを連れ去り、敵の作戦にハマッたイチローはジローに恨みを抱き、二人は離れてしまいます。 シャドウは設計図を元にジャイアントデピルを完成させるが、中央制御部はもう1人の子供であるルミに隠されており、ハカイダーはシャドウからアキラと取り返すべく、イチローと手を組む事にしました。 しかし上手くいかず、研究所へ向かいジローとジローが造った零と再開し4人でシャドウに戦いを挑みます。 その後、良心回路を持ちウソをつけない性格を逆手にジローはシャドウと交渉し、まんまとアキラを取り返しました。 そこへ現れたのは、シャドウの分裂組織から派遣されたミエ子(ビジンダー)はハカイダーと手を組みジロー達の前に現れます。 ビジンダーは相手の電子回路を破壊する能力があり、イチローはまんまと電子頭脳を破壊されてしまいますが、その混乱の隙にハカイダーは子供二人をつれジロー達の前から姿をくらまします。

 物語終盤、ジローに恋心を抱くビジンダーも加わり2人の子供達の救出へ向かいますが、ハカイダーが完成させた最終兵器により捕らわれてしまいます。 4人はハカイダーによって服従回路を組み込まれ、良心回路を持つジロー以外はハカイダーの手下としてアーマゲドンでシャドウを壊滅します。 そこへウソをつけないはずのジローが現れ、兄弟であるイチローと零、仲間として戦ったビジンダーを次々と破壊してしまいます。 不完全ながらもウソもつけない良心回路とハカイダーに組み込まれた服従回路。 善と悪の心を持つことにより、仲間にウソをつくことも兄弟を殺すことも出来ると言い、ハカイダーとの最後の戦いになり、ジローは勝利します。 ジローはハカイダーに対し「おれはこれで人間と同じになった。 だが、それとひきかえにおれは・・・・これから永久に"悪"と”良心”のこころのたたかいに苦しめられるであろう・・・・」と話し、ジローの言葉を聞いたハカイダーは倒れていきました。 人間の姿で涙を流すジロー..... 場面はピノキオの絵本に戻り、ピノキオが人間なる場面が描かれており、「だがピノキオは人間になって、ほんとうに幸せになれたのだろうか・・・?」と書かれ、読者に問いかけながら作品は終わりとなります。

 特撮のキカイダーと違い、ジローの葛藤がメインの作品ですが、最後まで読みきった時に涙が止まらなかった事は今でも忘れません。 良心を持たないまま、命令だけに従事しているのが良いのか、また良心があり優しさだけあれば物事は上手くいくのかと考えさせられました。 またジローへの感情が入りすぎてしまった事もあると思いますが、奥の深い考えさせる作品だと思っており、石ノ森章太郎作品の中で、私はこの作品が一番であると今でも思います。
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