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デアゴスティーニ ラリーカーコレクション購入とラリージャパン!! 【スズキ・SX4 WRC(2008)】 [デアゴスティーニ]

 休みを取った金曜日、午後の外出にてアキバヘ行き、書泉ブックタワーにてデアゴスティーニ 『隔週刊 ラリーカーコレクション』の第26号を購入しました。

 第26号である今回の付属モデル(IXO製)は「スズキ・SX4 WRC(2008)」です。 今回のモデルである「スズキ・SX4 WRC」は、スズキが満を持してWRCのトップカテゴリーに投入したマシンとなりますが、私の感想は「時代に翻弄された、悲運のマシン」の一言です。
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 それまでスイフトにてJWRCに参戦をしていたスズキ、当初から速さを見せチャンピオンも獲得しておりました。 この流れで、いずれはWRCのトップカテゴリー参戦だろうと言われておりましたが、2006年の夏にWRCへのフル参戦が発表されました。 元々は2007年後半から始まる予定だった、「ウインターリーグ」に合わせて参戦を予定しておりました。 しかし計画が破棄されてしまい、通常のスケジュールでシーズンが行われる事になりました。 2007年後半に始まる2008年シーズンに参戦の予定でしたので、「ウインターリーグ」が無くなってしまった事により、予定を遅らせて2008年開幕戦より参戦となりました。 

 スイフトで成功を収めたスズキ、WRCに参戦するにあたりスイフトをWRカーに仕立てると思いきや、参戦する事を前提に開発がされたと言われる市販車「SX4」を発表。 この「SX4」でWRCへ参戦する事になりました。 参戦が2008年になった事により、開発期間が大きく取れフル参戦である2008年の開幕戦からポイントを獲得するなど、基本性能の良さは実証されました。 「モンスター」の愛称で親しまれている田嶋氏のスズキスポーツが中心となりマシンは基本の開発を行い、フル参戦前の2007年にはTTEやプジョーで活躍したミシェル・ナンダンがテクニカル・ディレクターに就任し、ニノ・フリソンをチーフ・デザイナーに迎えました。 しかし、ナンダンは途中でチームから離脱してしまいます。 突然の離脱話でしたが、これにより開発を日本サイドで行うことになり、事実上やり直しに近い内容だったと記憶しております。 鳴り物入りで加入したナンダンの仕事に対し、スズキ内部より疑問視する話もありました。 

 色々な問題もありましたが、2007年にはテスト参戦としてR.13とR.16にテスト参戦。 R.13のフランスはターマック・ラリーとなりますが、「ツール・ド・コルス」の名で有名なラリーです。 ターマックゆえに、主にハンドリング関係の確認に専念する事.... トップカテゴリーでのWRC参戦との事で、インジェクターやハイドロ関係のトラブルが発生。 スーパーラリーを利用し3日間を走り完走することが出来ました。 その後、R.16は2007年最終戦となるウェールズ・ラリー・GB、高速のグラベル・ラリーでのSX4の走りを確認する為に出場となりましたが、SS1からトラブルにてデイ・リタイアしてしまいました。 今回もスーパーラリーを利用し残り2日間を走りきり、マシンの熟成を進めました。 そして、いよいよフル参戦となる2008年を迎えます。

 2008年開幕となりスズキが採用したドライバーについては、ベテランの域に入ったトニ・ガルデマイスターとスズキの秘蔵っ子であるパー・ガンナー・アンダーソンの2名。 元々シャシーはスイフトよりも剛性があり、テスト等でも素性の良さを実感していただけに、開幕戦でのポイント獲得は驚くべき事ではありませんでした。 熟成さえシッカリ行う事が出来れば、ポディウムの頂点に立つ日も近いと思わせる走りを魅せておりました。 スバルと共に日本メーカーとしての活躍を期待しておりましたが、エンジン・駆動系・サスペンション等の部分で毎戦何かしらのトラブルが発生し、その後はパッとしない成績となってしまいました。 シーズン途中にて改良を施し、シーズン後半には完走率とポイント獲得数も上がりました。 

 今回のモデル化されたSX4はトニ・ガルデマイスターが駆ったR.14ラリージャパン仕様となります。

 スズキが母国のイベントを重視し、万全の体制で挑んだラリージャパン。 シェイクダウンから積極的に走りこみを行い、少しでも上位を目指しました。 2人のドライバーはスズキと日本のファンの為、果敢にアタックします。 ステージタイムも上位に食い込む走りでした。 SS19では、ガルデマイスターがスズキSX4として初のステージベストを叩き出し、大いに盛り上がりました。 最終日まで小さなトラブルはありましたが、2台のスズキSX4は完走を果たし、アンダーソンが5位、ガルデマイスターが6位にてフィニッシュ!! シーズン最高位の成績を収めました。 そして最終戦も5位と7位をでフィニッシュし、マシンの信頼性も向上しました。

 地道にマシンの開発を行い、最終戦にはかなりのポテンシャルを魅せる事が出来たSX4.... 正常進化させれば、2009年には表彰台に乗ることも可能ではないかと言われたマシンです。 しかし、2008年に世界を襲った経済不安の余波を受け、勝てる可能性を秘めたままスズキはWRCより撤退を決定しました。 レース等に「もしも」はご法度ですが、あのまま参戦を継続していられれば、あるいは久しぶりに日の丸が揚がった姿を見る事が出来たかもしれません。

 
 イエローのカラーリングがとても目立つSX4ですが、他のメーカーと同じくハッチバック車がベースになっております。 SX4のコンセプトなのでしょうが無い事ですが、やや背が高いです。 フロントのバンパー部やリアスポイラー等を見ると、プジョー206を彷彿とさせます。 勝てる要素は何でも取り込む行った感じです。
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 ワイド化されている為、正面からの見た感じは迫力があります。 ターマック・ラリー等では車高も落ちますので、結構スパルタンなイメージになります。
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 逆にリアは丸みを基調とした造りで、テールランプが何となカワイイ感じです。 リアバンパーにはマフラー用の穴が空いており、走行中は排ガスの関係もあり真っ赤になるくらい過熱します。 リアスポイラーはでかいの一言。
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 とても纏まったデザインだと感じさせるSX4、もっと活躍する姿を観たかったです。
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 説得力はないのですが、上から見ると「スズキっぽい」と思います。 ループの形状かな~....
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 メーカーとしてWRCバージョンのモデルを出して欲しかったと思う位、カッコイイでデザインだと思います。
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 リアスポイラーのデザインも上手く纏まっていると思います、リアウインドウにガッツリ装着されておりますが、実はそこまで視認性は悪くない造りになっています。
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 ボンネットのフロントウインドウ近くに、日本ではお馴染みのマークが再現されております。 今回モデルになったトニ・ガルデマイスター。 モナコの運転免許では日本での運転が出来ない為、ラリージャパンの開幕直前に北海道の免許センターにて免許を取得。 当然、初心者扱いとなるため、若葉マークを付けなければならなかったのです。
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2008年のラリージャパンは、2004年の初開催より行われていた十勝を離れることになり、札幌にて開催される事になりました。 2005年から観戦し続けたラリージャパン.... 十勝の自然がとても気に入っていた私にとっては少し寂しい感じではありましたが、北海道で経済の中心である札幌での開催は競技以外の部分で便利になりました。 あまり多くはありませんが、2008年のラリージャパンでのSX4の写真を何枚か載せたいと思います。

 札幌開催の2008年、もう6年も前になってしまったのかと思うと、何となく懐かし感じです。 札幌での初開催との事で、札幌ドームにてサービスパークとスーパーSSが開催されました。
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 シェイクダウンでのガルデマイスター、到着が少し遅れてしまいシェイクダウンが始まっていました。
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 ラリードライバーの車幅感覚は素晴らしく、壁やコースの仕切りに当たる位に近付きます。 実際、ヒットしてクラッシュするドライバーもおりますが....
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 ラリー開催中の札幌ドームは床を移動させている為、路面はコンクリートになります。 滑りまくりますが、ずーっと4輪共に流しながらコースを幅一杯まで使い切り、走行します。
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 コーナーに入る遥か前からリアを流し進入していきます。 コレでもまだまだ序盤の走りなので、シェイクダウンの最後の方はきわどい走りばかりです。 マフラーの中が真っ赤になっていて、熱そう....
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 正面から捉えた写真ですが、この向きのままで右からドリフトで飛び出してきます。 滑る感じで来るのですが、実際にはとんでもないスピードで走ってきます。
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 ラリージャパンはグラベル・ラリーの為、車高は上がりサスペンションの設定は柔らかめです。 スーパーSSのジャンプも飛びすぎると着地の際にノーズを傷めてしまいますので、無理は禁物。 加速ではノーズが上がり視界は空を向き、ブレーキでは思い切りノーズがダイブし走りにくいですが、そこは世界最高峰のドライバー達ですので、難なくコースを攻め込みます。
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 シェイクダウンを終えて、ラリーショーとスタートまでの間、チームのテント前にに飾られている2台のSX4。 
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 スタート前、空いた時間に他のドライバー達と話をしている写真。 2台のSX4の後ろに並んでいるのは、スバル・インプレッサWRC2008。 この車の期待が大きかったのですが、熟成しきれずにこの年で撤退となりました。
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 翌日のデイ1、サービスパークを出発しリエゾン区間を走行するSX4。 朝早い時間ではありましたが、多くのファンが応援の為に来ておりました。 札幌ドームから一般道に出るところです。
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 注意深く車の流れを読み、素早い加速で走行車線に入ったSX4。 その後、結構な加速でSSへ向い走り去って行きました。
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 デイ1、昼のサービスを受けるガルデマイスターのSX4。 限られた時間の中で作業を行わなければならないので、ドライバーからの情報を元に素早く行動します。
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 無事に3日間を走り切り、フィニッシュするガルデマイスター車。 良い成績でフィニッシュした事で、これからの期待が高まった瞬間でした。 やはり、複数年計画で参戦し続けてもらいたかったです。
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 初めてラリージャパンを観戦した2005年、フォードから参戦していたトニ・ガルデマイスター。 帰りの飛行機が一緒だったらしく、羽田空港を出たところでフォードの一行と出会いました。 マイクロバスが来るまでの間、代表のマルコム・ウィルソンやトニ・ガルデマイスターのサインを貰い、マイクロバスに乗った後もファンに向けて大きく手を振ってくれたフォードの人達.... 疲れているであろうスタッフ達も一緒になり、私達に向けて手を振ってくれた記憶が、今でも大切な思い出として残っています。
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